呼吸に身を任せることは

 

 

呼吸だけに身を任せて

身体の振動を味わうことは

 

ぼくにはとてもこわかった。

 

どうなるかもわからない。

どんな振動が起こるかもわからない。

 

コントロールが効かない。

 

先行きもわからない。

 

とても恐怖だ。

 

僕はそれがこわすぎて、

コントロールを始めた。

 

力で締め付けることで

 

我慢できるようになった。

 

いこうとする欲望を、

邪魔な感情を

 

統制するようになった。

 

そのままどんどん意識は頭に登って行き、

 

ぼくは、感情がわからなくなっていた。

 

 

頭で考えていることしか、

捉えることができなかった。

 

感情はとてもめんどくさくて、

 

ぼくは

その

自然な流れに身を任せることがめんどくさくなっていた。

 

ただ、そのぶん

身体は響かなくなっていった。

 

声は届かなかった。

感覚は届かなかった。

 

ディスコミュニケーションである。

 

 

だんだん、

 

それでは幸せは掴めないとわかってくる。

ぼくは、

 

自然な脱力に

身を任せることがとてもこわい。

 

とてもめんどくさい。

 

 

何が起こるかわからないモンスターを

放っておくのがこわいんだ。

 

嫌われちゃうかもしれないし、

何か言われるかも。怒られるかも。傷つくかも。

 

そう、

 

だからぼくは

 

自分をコントロールしていたかった。